男神と女神の見分け方ー神社の建築様式ー

更新日2024.01.12

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男神と女神の見分け方

神社は、主祭神または主神と呼ばれる主となる神様をお祀りしております。この主祭神は、神社に一柱(神様を数えるときに用いられる単位)だけでなく複数の神様を主としてお祀りしているところが多いです。

そして神社の建築様式は、主祭神の性別に合わせて造られており、本殿の屋根部分にある千木(ちぎ)鰹木(かつおぎ)により、見分けることができると言われております。

千木と鰹木

千木とは、屋根のむねの両側に交差させた長い木材のことです。

鰹木とは、棟木(むなぎ)と直角の方向に横たえ並べた丸太のことです。

※ 棟木…屋根の面と面とが交わる場所に使われる木材

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▼ 千木と鰹木

千木の形は、先端が外削ぎ(先端を地面に対して垂直に削る)になっているものと、内削ぎ(水平に削る)になっているものがあり、外削ぎと内削ぎが同じ社殿に両方ついた神社もあります。

外削ぎは祭神が男神であり、内削ぎは祭神が女神になっていると言われております。

千木の見分け方

鰹木の数は、平安時代には大社が8本、中社が6本、小社が4本という決まりがありましたが、現在では神社により本数が異なります 。

鰹木の数が奇数なら男神、偶数なら女神を祀っていると言われておりますが、諸説がないため、正確なところは明らかになっておりません。

主な建築様式は、下記の通りです。

建築様式 代表的な神社 男神・女神
イメージ画像 建築様式の解説
大社造
(たいしゃづくり)
出雲大社 男神(外削ぎ)
大社造 高床式倉庫の様式から発展したと言われており、神明造とは同じ造りですが、屋根の部分の千木が、直角となった造りとなっていることが特徴です。
また、建物内部の中心には、心御柱(しんのみはしら)という太い柱があります。
神明造
(しんめいづくり)
伊勢神宮 女神(内削ぎ)
神明造 大社造とともに、最古の建築様式である高床式倉庫の様式から発展させた形です。
屋根の部分の千木が、平行となった造りとなっていることが特徴です。
また、伊勢神宮は唯一神明造と呼ばれております。
八幡造
(はちまんづくり)
宇佐神宮や石清水八幡宮 屋根に千木はない
八幡造 神明造から派生した形となっておりますが、2つの社殿を手前と奥に置き、その間を相の間で連結させて、一つの社殿としております。
手前の社殿を外院、奥の社殿を内院と呼び、主祭神が、昼と夜で移動すると考えられておりました。
春日造
(かすがづくり)
春日大社 男神(外削ぎ)
春日造 大社造から派生した形となっております。屋根が反り、正面には向拝(こうはい、ごはい)のある造りとなっていることが特徴です。
春日造の多くが、一間社(いっけんしゃ)春日造となっており、非常にコンパクトな印象があります。
※向拝…屋根の中央が前方に張り出した部分のこと
流造
(ながれづくり)
伏見稲荷大社 屋根に千木はない
大社造 神明造から派生した形となっております。屋根の前方が曲線的に長く伸びており、向拝のある造りとなっていることが特徴です。屋根の一方が長く、もう一方が短いため、見分けが容易です。
日本全国、最も広く分布している建築形式が流造です。
住吉造
(すみよしづくり)
住吉大社 男神(外削ぎ)
大社造 大社造から派生した形となっております。屋根は直線的な造りとなっており、建物内部が前後に仕切られていることが特徴です。
正面より前の間が外陣、奥の間が内陣と呼ばれており、正面に木階がかけてあります。
建築様式 代表的な神社
大社造
(たいしゃづくり)
出雲大社
男神(外削ぎ)
大社造
高床式倉庫の様式から発展したと言われており、神明造とは同じ造りですが、屋根の部分の千木が、直角となった造りとなっていることが特徴です。
また、建物内部の中心には、心御柱(しんのみはしら)という太い柱があります。
建築様式 代表的な神社
神明造
(しんめいづくり)
伊勢神宮
女神(内削ぎ)
神明造
大社造とともに、最古の建築様式である高床式倉庫の様式から発展させた形です。
屋根の部分の千木が、平行となった造りとなっていることが特徴です。
また、伊勢神宮は唯一神明造と呼ばれております。
建築様式 代表的な神社
八幡造
(はちまんづくり)
宇佐神宮や石清水八幡宮
屋根に千木はない
八幡造
神明造から派生した形となっておりますが、2つの社殿を手前と奥に置き、その間を相の間で連結させて、一つの社殿としております。
手前の社殿を外院、奥の社殿を内院と呼び、主祭神が、昼と夜で移動すると考えられておりました。
建築様式 代表的な神社
春日造
(かすがづくり)
春日大社
男神(外削ぎ)
春日造
大社造から派生した形となっております。屋根が反り、正面には向拝(こうはい、ごはい)のある造りとなっていることが特徴です。
春日造の多くが、一間社(いっけんしゃ)春日造となっており、非常にコンパクトな印象があります。
※向拝…屋根の中央が前方に張り出した部分のこと
建築様式 代表的な神社
流造
(ながれづくり)
伏見稲荷大社
屋根に千木はない
大社造
神明造から派生した形となっております。屋根の前方が曲線的に長く伸びており、向拝のある造りとなっていることが特徴です。屋根の一方が長く、もう一方が短いため、見分けが容易です。
日本全国、最も広く分布している建築形式が流造です。
建築様式 代表的な神社
住吉造
(すみよしづくり)
住吉大社
男神(外削ぎ)
大社造
大社造から派生した形となっております。屋根は直線的な造りとなっており、建物内部が前後に仕切られていることが特徴です。
正面より前の間が外陣、奥の間が内陣と呼ばれており、正面に木階がかけてあります。

全国の神社では、男神女神の区別をしているところが多いですが、必ずしもすべての神社が区別しているわけではありません。それでも、神社を訪れた際には、どのような神様を祀っているのか、建築様式からひも解く楽しさはあると思います。

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