▼ 神棚(かみだな)とは?仏壇(ぶつだん)とは?
神棚…神道の神様を祀る場所のこと
仏壇…仏教のご本尊を祀る場所のこと
神仏習合となる以前の日本家屋では居間には神棚があり、仏間には仏壇があるように神棚と仏壇を分けて祀られておりました。
明治維新により神仏習合の慣習はなくなりましたが、神仏を一緒に祀る慣習は現代においてもところどころで確認することができます。
神様と仏様は異なるものではありますが、神仏習合の慣習から同じ空間で祀ることができないということはありません。
ただし神棚と仏壇が同じ空間にある場合に気をつけておきたいポイントがあります。
▼ 神棚と仏壇の位置関係には理由があった
一般的には神棚も仏壇も東向きか南向きになりますが(宗派により異なる場合があります)、それぞれを向かい合わせに配置(対立祀り)することは、家相で凶(災いを招く)と言われております。
またどちらをお参りしても、もう一方にお尻を向けることになりますので失礼にあたります。
神棚が上の方にあり仏壇が下の方にある理由は、神様と仏様のあり方にあります。
神様は人間よりも位が高い存在とされており、人間の頭よりも神様を上にお祀りするのが礼儀になります。
これは直立していても同様のことであるため、おのずと神棚が天井近くの高い位置になります。
仏様は仏教で最も丁寧な礼拝方法とされている五体投地(ごたいとうち)があり、仏様への絶対的な帰依を表しております。
仏教はインドの釈迦を開祖とする宗教であり、座って拝むことが礼儀とされており、仏壇は仏様を祀るための壇でもあるため、座った目線の上に信仰の対象を拝します。
五体投地…両手・両膝・額を地面に投げ伏して仏や高僧などを礼拝すること
仮に同じ空間に神棚と仏壇を置くことになり間取りの都合で上下同じ並びになる場合は、神棚と仏壇の中心を離し、向かって左上に神棚、右下に仏壇を配置することが良いと言われております。